令和4年6月より田原市医師会長を引き受ける事になりました。
前会長の川瀬修二先生が会長就任時よりコロナパンデミックとなり、通常診療以外に大きな負担をしいられる事となりました。
現在は少しだけ光明が見えてきまして、安定化傾向が示唆されるように思えます。
さて、今後も様々な課題が出現すると考えられますが、克服していく為に、諸先生方のご協力をお願い致します。
会長 國見 知明
団塊の世代が後期高齢者となる2025年問題が間近に迫っています。
田原市においても、総人口が減少し、高齢者の割合が2040年まで増加し続け、高齢化率が35%となることが想定されています。
後期高齢者になると若い人に比べ、一年間の通院は3.3倍・入院は9.1倍と増加し、医療費は約5倍必要になると言われています。(資料:保険局調査課「後期高齢者医療事業年報)
これらのことから、市内や東三河地区(全国)の医療機関や介護施設に入れない状態がおこり、自宅での生活を強いられる時が数年後にやってきます。(入院・入所難民)
住み慣れた地域で最期まで安心して暮らし続けられることを市全体で考え、個々が健康でいられる工夫や、ご近所同士の支え合い活動が必要となります。この仕組みや町作りが「地域包括ケアシステム」です。
国は超高齢社会対策として「地域包括ケアシステム」構築に向け、2018年度から全国市区町村が主体となり、在宅医療・介護連携推進事業を行うことが介護保険法で義務付けられました。
田原市医師会は市の委託を受け、医師会在宅医療サポートセンターが「在宅医療介護連携推進事業」に取り組むことになりました。在宅医療サポートセンターでは、在宅医療を推進しつつ、介護職と連携を深め、障害があっても自分らしく生き抜くことを目標に、地域の暮らしや健康を守るお手伝いをしていきます。
地域の医療・介護サービス資源の把握
医療機関や介護施設の状況を調査し、利用しやすいマップを作成します。
在宅医療・介護連携の課題の抽出と対応策の検討
医療や介護が抱える問題を見つけ、改善に向けた働きかけをします。
切れ目のない在宅医療と介護サービスの提供体制の構築推進
退院後自らが望む居場所(自宅等)に帰ることを目標に、地域の医師や看護師・介護職等が連携協力し、生活を支えるお手伝いをします。
医療、介護関係者の情報の共有
市内の医療・介護施設等の状況や個人の状態について専門的な立場から情報を提供し、共有することで総合的な力を発揮します。
在宅医療・介護連携に関する相談支援
在宅医療や介護に関する疑問・困りごとの相談に応じます。地域住民だけでなく、専門職の方からの相談にも対応します。
医療・介護関係者の研修
医療や介護関係者の質の向上のため、専門職の方を対象に研修会を開催します。
住民の方を対象に、「住み慣れたまちで、幸せな老後を過ごすために」「人生会議(ACP)」等いろいろな視点で講座や講演会を行います。ご自宅の近くの公民館等に出向いて行う「出前講座」も行っています。
※お申込み等「出前講座」案内をご覧ください。→ 出前講座案内
市内だけで解決できないことや、先進的な他市の状況を学び、田原市に必要な事・東三河全体で取り組むことなど市内外地域とのつながりを大切にしてゆきます。